口噤み つむぐ言の葉 音もせで 強き祈りぞ 届けよ君に
照滴016
本文
口噤み つむぐ言の葉 音もせで 強き祈りぞ 届けよ君に
形式
#短歌
カテゴリ
#3.信仰・信心
ラベル
#声 #信仰 #言葉 #言葉遊び
キーワード
#言の葉 #口噤む #祈り #届ける #心
要点
口に出さずとも、心の祈りは強く君に届く。
現代語訳
口を閉じて言葉を紡ぐと音はしないが、その分強い心の祈りが君に届きますように。
注釈
口噤み:口を閉じる。次句の「つむぐ」と同音相通
音もせで:音はしないが
届けよ君に:祈りや願いが相手に伝わることを願う
解説
言葉にしなくとも、心からの強い祈りや念は伝わるという信仰的思想を表現。沈黙の中の強さを描く短歌で、修行者の内面的な祈りの姿を象徴している。
深掘り_嵯峨
沈黙の力と内なる祈りの深さを詠んだ歌です。口に出す外的な言葉(音)は、かえって真実の思いを弱めてしまう可能性があります。それに対し、「口噤み」、「音もせで」紡がれる内なる言葉は、「強き祈り」となり、沈黙の壁を越えて真に届くのだという密教的な信条を表現しています。
精神的な集中(三密)によって、言葉の形を離れた真のコミュニケーションを希求する姿勢が伺えます。